本研究は,セリンプロテアーゼの制御によるマルチターゲット作用を活用した新規 AKI 治療法を確立することを目的に,リポポリサッカライド (LPS) 誘発 AKI モデルおよび虚血再灌流 (IR) 誘発 AKI モデルを用いて,セリンプロテアーゼ阻害薬の有効性評価およびその作用メカニズムを検討した。結果、セリンプロテアーゼ阻害薬であるカモスタット(CM) が, AKI モデルマウスの病態進展を一部抑制し,用量依存的に酸化ストレスおよび炎症を抑制していることが示された。以上より、セリンプロテアーゼの制御によるマルチターゲット作用の活用が新規 AKI 治療法となり得る可能性が示唆された。
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