研究課題
本研究では、集中治療部(ICU)入室中の重症感染患者を対象に、初期経験的治療で用いられる抗MRSA薬やカルバペネム系薬の持続的腎代替療法(CRRT)によるクリアランスの有無を考慮した母集団薬物動態(PPK)モデルを構築することを目的としている。令和4年度の研究実績は以下の通りである。1.CRRTによるクリアランスを加味したテジゾリドの母集団薬物動態モデルの構築昨年度確立したUHPLC-MS/MSを用いた総・遊離型テジゾリド濃度の新規測定法について論文投稿を行い、J Pharm Biomed Analにアクセプトされた。また、昨年度より対象患者のリクルートを開始しており、現在5名の患者エントリーと検体の回収を実施している。回収した検体は平衡透析し、遊離画分と血漿画分を回収後、-40℃で保存した。引き続き、対象患者のリクルートを実施し、目標の20症例のリクルートと検体回収が完了次第、NONMEMを用いてCRRTによるクリアランスの有無を考慮したPPKモデルを構築する予定である。2.CRRTによるクリアランスを加味したテイコプラニンの母集団薬物動態モデルの構築対象は大分大学医学部附属病院ICUもしくは高度救命救急センター入室中にCRRTが施行されTEICが投与された患者とし、電子カルテを用いてレトロスペクティブに情報収集を開始した。収集する情報は投与量および血中濃度に加えて、共変量の候補である年齢、性別、体重、身長、BMI、尿量、透析膜の種類、CRRTの流量、血清Cr値、血清Cys-C値、血清NGAL値、血清アルブミン値とした。調査対象期間は2011年11月~2021年8月とし、調査対象症例は全部で315例であった。現在、123症例の調査が完了している。全症例の調査が完了次第、NONMEMを用いてCRRTによるクリアランスの有無を考慮したPPKモデルを構築する予定である。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 2件)
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