本研究では、集中治療部(ICU)入室中の重症感染患者を対象に、初期経験的治療で用いられる抗MRSA薬やカルバペネム系薬の持続的腎代替療法(CRRT)によるクリアランスの有無を考慮した母集団薬物動態(PPK)モデルを構築することを目的とした。まず、これらの抗菌薬のハイスループットな同時測定系の開発および総・遊離型濃度測定系の確立に成功した。次に、ICU患者を対象にNONMEMのADVAN6を用いてドリペネムのPPK解析を実施した結果、消失経路にCRRTによるクリアランスを組み込んだところモデルの当てはまりが改善し、CRRTによるクリアランスの有無を考慮したPPKモデルの構築に成功した。
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