これまで、JA静岡厚生連静岡厚生病院に通院する関節リウマチ患者60名の血漿中Nーアセチルグルコサミン(GlcNAc)濃度と関節リウマチの疾患活動性との関連性を検討し、関節リウマチの疾患活動性を示すDAS28-CRPやHAQを指標とした非寛解群では寛解群と比べ、血漿中GlcNAc濃度が有意に高値を示し、血漿中GlcNAc濃度とMMP-3値に正の相関が認められたことを初めて明らかにした。また、血清クレアチニン値及びBUNと正の相関、GFRと負の相関を示し、年齢と有意な正の相関を示し、血漿中GlcNAc濃度をRAの疾患活動性の指標とする際には、腎機能及び加齢の影響を考慮する必要があることが明らかとなった。 本年度は、関節リウマチを罹患していないJA静岡厚生連静岡厚生病院にて健康診断を受診した(健診者)68名と関節リウマチ患者60名の血漿中GlcNおよびGlcNAcの血漿中GlcN濃度を比較した。健診者の血漿中GlcN濃度は、関節リウマチ患者と比べ有意に低かったが、健診者の血漿中GlcNAc濃度は関節リウマチ患者と比べ有意に高かった。また、健診者における血漿中GlcNAc濃度と年齢との間に有意な負の相関を示したのに対し、血漿中GlcN濃度は年齢及びeGFRとの間に 相関がみられなかった。さらに、関節リウマチ患者における血漿中GlcN濃度について、MMP-3との間に正の相関を認め、DAS28-CRPによって分類した非寛解群は寛解群と比べ135.1%と有意に高値を示した。 本研究ではRA患者における血漿中GlcN濃度と年齢、腎機能、MMP-3及びDAS28-CRPとの関係は血漿中GlcNAc濃度と同様の結果を示した。 一方 、 血漿中GlcN濃度はRA患者と比べ 健診者が有意に高値を示し、 血漿中GlcNAc濃度は有意に低値を示し、 GlcNとGlcNAcで異なる動態がみられた。
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