研究課題
ヒト不死化臍帯静脈血管内皮細胞(HUEhT-1)を用いてアントラサイクリン系抗がん剤のドキソルビシン(DOX)と制吐薬であるNK1受容体遮断薬のホスアプレピタント(FAP)の併用による血管毒性増強メカニズムについて検討した。その結果、細胞周期を観察すると、DOX単独と比較してFAP共存によりsub -G1期の割合が顕著に増大した。また、FAP共存により増加したsub-G1期の割合は、スタチン系薬剤であるロバスタチンによって抑制され、カスパーゼ阻害剤によってもその毒性は抑制されたことから、DOXとFAP併用により増強された毒性はROSを介したカスパーゼ依存性のアポトーシスであることが示された。一方でがん細胞であるHepG2細胞においてはロバスタチンの共存によってDOXの細胞毒性は顕著に上昇した。従って、スタチン系薬剤は抗がん活性を維持させたままアンスラサイクリン系抗がん剤の血管障害を緩和させる有用な薬剤となり得ると考えられた。
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Oncology Leters
巻: 24 ページ: 386
10.3892/ol.2022.13506