化学療法が誘発する悪心・嘔吐は、患者のquality of life(QOL)を低下させる要因であり、避けることが望ましい副作用である。ホスアプレピタントは化学療法時に1回の静脈内投与でアプレピタントと同様の嘔気抑制効果を示すことから、経口投与することができない患者やアドヒアランスの不良な症例に対して優れていると考えられているが、抗がん剤と併用した際には血管障害のリスクが顕著に増大する。ホスアプレピタントによる血管障害に着目し、そのリスクファクターと回避方法について検討し、今回の結果が示すような予防方法を提唱することは効果的かつ安全な化学療法の遂行に貢献できるものと考えている。
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