近年、難病や希少遺伝性疾患に対するアデノ随伴ウイルスベクターを用いた遺伝子治療の開発が注目を集めている。一回の投与で目的遺伝子の持続的な発現が可能であるため従来の治療法の欠点を補うことができると考えられている。しかしながら骨組織を標的にした場合には、ベクターの骨への送達を向上させることが不可欠である。本課題では、骨ターゲティングシグナルとして酸性アミノ酸オリゴペプチドを用いて、カプシド改変型ベクターの構築に取り組んだ。しかしながら、骨指向性を有したベクターの確立には至らなかった。今回の研究結果は、今後カプシド改変型のベクターを構築する際に有益な情報になると考えられる。
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