近年、がん細胞や免疫細胞のエネルギー代謝状態が抗がん剤治療の効果に影響することが理解され始めてきた。本研究では、がん細胞と免疫細胞のエネルギー状態を同時に評価できる動物モデルの作出に挑戦した。 まず、レポーター遺伝子導入がん化細胞を樹立した。がん遺伝子であるBCR-ABL遺伝子、レポーター遺伝子としてGFPおよびiuciferaseを挿入したコンストラクトベクターをマウス前駆B細胞株Ba/F3細胞に遺伝子導入した。さらに、樹立した細胞をC3H系マウスに移植することで、免疫機能が正常な血液がんモデルマウスの作出に成功した。本モデルはチロシンキナーゼ阻害剤の薬効評価が可能であることも確認された。
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