研究課題
若手研究
ワルファリン投与時のPT-INR推移を予測する数理モデルの妥当性を評価した。後ろ向き観察研究を実施し、数理モデルの妥当性評価に使用するデータセットを構築した。数理モデルから算出した予測PT-INRと実測PT-INRを比較したところ、予測PT-INRは過小評価の傾向であった。過小評価の傾向は、高齢、やせ、腎機能低下においてより顕著であった。PT-INR実測値を用いたベイズ推定がPT-INRの予測精度に及ぼす影響を検討したところ、4回以上の測定値を用いたベイズ推定により予測精度の改善が確認できた。
臨床薬理学
ワルファリンのPT-INR予測が困難な患者の特徴として、高齢、やせ、腎機能低下であることが明らかとなった。適切なワルファリン療法を提供するために、腎機能を考慮したワルファリン至適投与量を予測する数理モデルの構築が必要であることが示唆された。現在、数理モデルの構築を視野に入れて研究を継続している。