• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

ヒト脂肪幹細胞における膜動輸送特性解析と細胞医薬・薬物キャリアとしての最適化

研究課題

研究課題/領域番号 20K16096
研究機関大阪医科薬科大学

研究代表者

孫 紅キン  大阪医科薬科大学, 薬学部, 特任研究員 (20773542)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードヒト脂肪幹細胞 / アドリアマイシン / 腎障害 / 尿中アルブミン
研究実績の概要

間葉系幹細胞である脂肪幹細胞(AdSCs)は、再生医療における素材としてだけではなく、細胞医薬としての応用が進められている。AdSCsは、がん組織や炎症部位への集積性を有し、AdSCsが抗がん薬や抗炎症薬を治療部位に送達するためのキャリアとしても有用であることが示唆されている。また、AdSCs自体が組織障害を修復する作用を有していることも報告されている。このようにAdSCsは多彩な機能を有しているが、その詳細については不明な点も多い。本研究では、アドリアマイシン誘発腎障害発症マウス(ADRマウス)を用い、薬剤性腎障害に対するAdSCs投与の影響について検討を行った。また、AdSCsの障害組織への到達性に関する予備的検討も行った。
蛍光物質であるGreen Florescent PLGA nanoparticles (FL-PLGA NPs)を培養したAdSCsに取り込ませた後、そのFL-PLGA NPs負荷AdSCsをマウス尾静脈に投与し、14日後の腎臓におけるFL-PLGA NPs由来の蛍光強度を測定した。その結果、対照群の腎臓に比べ、ADRマウス群の腎臓における蛍光強度は高い傾向が観察され、腎障害の誘発はAdSCsの腎臓への集積を高める可能性が示唆された。また、AdSCs投与による腎機能マーカーへの影響について検討したところ、ADR投与によって増加した尿中アルブミンや尿中KIM-1はAdSCsの投与によって低下する傾向が観察された。以上、AdSCsは腎障害により腎臓への移行性が高まるとともに、その組織障害を軽減する効果を有する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Cellular uptake properties of albumin and PLGA nanoparticles in human adipose-derived stem cells2021

    • 著者名/発表者名
      Hongxin Sun; Yumiko Takebayashi; Hideyuki Motohashi; Junya Nagai
    • 学会等名
      日本薬剤学会第36年会
  • [学会発表] ヒト脂肪幹細胞におけるGLUT1およびABCG2の発現・機能に及ぼす低酸素培養の影響2021

    • 著者名/発表者名
      土佐勇策、池田祐介、竹林裕美子、孫 紅昕、本橋秀之、永井純也
    • 学会等名
      日本薬剤学会第36年会
  • [学会発表] ヒト脂肪幹細胞におけるアルブミンのエンドサイトーシス特性解析2021

    • 著者名/発表者名
      永井純也、孫 紅昕、乾 和正、永木千尋、竹林裕美子、本橋秀之
    • 学会等名
      第42回生体膜と薬物の相互作用シンポジウム
  • [備考] 新規細胞医薬の開発を目的とした脂肪幹細胞の薬物輸送機能解析と抗組織障害効果の検証

    • URL

      https://www.ompu.ac.jp/class/pharm/pharmaceutical.html

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi