本研究は、脳細胞外液の流れ(Glymphatic System, GPsys)を制御することによりoxytocin(OXT)の鼻腔内投与後の脳送達効率を改善するDDS製剤を開発することを目的とした。AQP4阻害剤と報告のあるacetazolamide(AZA)をOXTと鼻腔内投与することにより、OXTの血中に対する脳内AUC比が、OXT単独投与群と比較して高値を示した。また、AZA投与により、AQP4の発現量の変化及び脳脊髄液(CSF)量の減少が観察され、AZAがGPsysに影響を及ぼしている可能性が示唆された。以上より、OXTの脳内送達に対してGPsysの影響が大きい可能性が示唆された。
|