研究課題
若手研究
Mitofusin 2(Mfn2)に着目したパクリタキセル(PTX)誘発性末梢神経障害の機序解明および治療法の探索を行った。PTXはラット脊髄後根神経節由来細胞×マウス神経芽細胞腫ハイブリドーマF11細胞に対して神経突起伸長阻害とMfn2発現量の低下を引き起こした。しかし、MFN2の発現量低下が神経突起伸長阻害に関与するかは明らかにすることはできなかった。さらに、治療候補薬として想定したBAPTA-AMやシクロスポリンAはPTXによる神経突起伸長阻害とMfn2の発現量低下には無効であった。
薬理学
PTXは培養細胞に対して神経様突起伸長阻害とMfn2の発現量低下を引き起こした。このことは、PTX誘発性末梢神経障害モデルラットで起きた現象を細胞実験で模倣可能である事を示唆する。よって本結果は、培養細胞がPTX誘発性末梢神経障害における病態解明や治療候補薬スクリーニングに有用である事を示唆している。今後、PTXによるMfn2発現量低下と神経障害との関係と明らかにすることで、新たな治療・予防法の確立につながると考えれられる。