• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

良好な臨床試験の結果が医薬品処方動向に及ぼす影響の調査:糖尿病領域における検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K16102
研究機関国立保健医療科学院

研究代表者

池谷 怜  国立保健医療科学院, その他部局等, 研究員 (50846540)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード時系列分析 / 処方動向 / 臨床試験 / SGLT-2阻害薬 / 糖尿病
研究実績の概要

本年度は、システマティックレビューに基づく文献調査、レセプトデータを用いた血糖降下薬の処方動向の調査をそれぞれ行い、一定の成果を得た。
まずシステマティックレビューでは、SGLT-2阻害薬、GLP-1アナログ、DPP-4阻害薬を対象として、心血管イベントに対する安全性及び有効性を評価した大規模臨床試験の文献を収集し、定性、定量的に評価した。これにより、特にSGLT-2阻害薬の有効性には、患者の心血管疾患の既往歴やリスクが関係していることが示唆された。試験結果を臨床実務に反映する際の助けとなる情報であると考えられた。
そして、システマティックレビューの結果をふまえて、SGLT-2阻害薬の処方動向を、患者の心血管疾患発症リスクを考慮して調査した。その結果、試験結果を外挿することが可能と考えられる集団だけではなく、外挿によって有効性を得られるか明らかでない集団においても処方が増加していることが示唆された。このことから、関連する領域に強く影響を与えるような大規模臨床試験の結果が公表された際は、その結果がどのような集団から得られたか、といった一般化可能性に関する情報を提供することが適正な処方に結びつけるために重要であると考えられた。
また、本年度はSGLT-2阻害薬以外の血糖降下薬の処方動向も調査し、その推移に対してSGLT-2阻害薬の位置づけの変化が及ぼした影響についても評価した。その結果、SGLT-2阻害薬は、特にSU剤との置き換わりを進める形で処方が増加していることが示唆された。その他、ビグアナイドについても徐々に処方が増加していることが示された。以上より、近年はSGLT-2阻害薬やビグアナイドのように、心血管イベントに関する良好なエビデンスを有する薬剤が好まれ、処方が増加していることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は三年のうちの二年目にあたる。当初計画していた調査内容については概ね完了したため。

今後の研究の推進方策

計画していた調査事項については概ね完了したため、順次学術集会や学術誌を通じた公表を行う。

次年度使用額が生じた理由

現在投稿中の学術論文を含めて、掲載費用や英文校正費用に充当するものとして留保している。次年度は複数の学術論文の投稿や学術集会での発表を予定しているため、請求額分についてはこれらに使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 2型糖尿病患者における血糖降下薬の処方動向:レセプトデータを用いた記述疫学研究2022

    • 著者名/発表者名
      池谷 怜
    • 学会等名
      日本薬学会第142年会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi