脳の情報を伝える神経伝達物質には興奮性と抑制性がある。抑制性伝達物質としてγ-アミノ酪酸(GABA)とグリシンが知られている。本研究ではその中でも成体の脊髄と脳幹において主要で、知見の少ないグリシン作動性ニューロンに焦点を当て、抑制性ニューロンが胎生初期から生後にかけてどのように分化し移動するのか調べた。GEPとtdTomato2つの蛍光タンパク質を用いて、GABAニューロンとグリシンニューロンを別々の色で可視化することで、これらのニューロンの胎生期から出生後にかけての発生・移動を調べた。その結果、GABAニューロンは胎齢10日目から、グリシンニューロンは胎齢12日目から現れることがわかった。
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