研究課題
本研究の目的は心臓心房におけるリークK電流の生理機能を解明することである。当初の仮説は、心房におけるリークKチャネルの主体はKCNK2であり、不整脈を抑制する機能があるというものである。パッチクランプ法を用いた電気生理学的ならびに薬理学的実験の結果、今のところこの仮説を否定する根拠はない。しかし、最も有力な研究ツールとして想定していたKCNK2の遺伝子改変マウスは、コロナ禍の影響で取り寄せ時期が一年以上延期になってしまった。一方で、in vitroの実験でKCNK2と相互作用する新規分子を同定した。このため、この分子の遺伝子改変マウスを現在作成中である。次年度は、複数の遺伝子改変動物で病態モデルを作製し、心臓におけるリークK電流の働きをin vivoでも検討することを目指す。
2: おおむね順調に進展している
コロナ禍で当初予定していた遺伝子改変マウスの入手が大幅に遅れたものの、代わり行った実験で新しい発見があった。また、自力でマウス作製を試みた結果、所属教室で遺伝子改変動物を作製する技術が確立された。
次年度は、複数の遺伝子改変動物で病態モデルを作製し、心臓におけるリークK電流の働きをin vivoでも検討することを目指す。
雑誌掲載料が嵩んだ一方で、コロナ禍で当初予定していた出張が全て取りやめになったため。次年度使用額は動物購入費に充てる。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)
Life Sciences
巻: 269 ページ: 119043
10.1016/j.lfs.2021.119043
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