研究課題
本研究の目的は心臓心房におけるリークK電流の生理機能を解明することである。当初の仮説は、心房におけるリークKチャネルの主体はKCNK2であり、不整脈を抑制する機能があるというものである。昨年度までの研究では、in vitroの実験でKCNK2と相互作用する新規分子を同定した。また、KCNK2のコンディショナルノックアウト(CKO)マウスの入手に成功し、KCNK2と相互作用する分子のfloxマウスの作出に成功した。入手したCKOマウスはカテコラミン刺激に応じて心房性の不整脈を生じる。ラットの薬理学的実験ではKCNK2の活性化薬が心房性不整脈を抑制することから、矛盾の無い結果である。今年度はfloxマウスと掛け合わせるためのCreマウスを入手する予定である。
2: おおむね順調に進展している
本研究は心臓機能の本質に迫る事実を少しずつ解明してきている。しかしコロナ禍の影響でマウスの輸送に弊害があり、期間内に劇的な論文発表するのは難しい。
今年度はfloxマウスと掛け合わせるためのCreマウスを入手する予定である。共同研究により遺伝子改変マウスの心臓収縮能と心臓興奮の両方を測定する。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
Heliyon
巻: 7(6) ページ: e07396
10.1016/j.heliyon.2021.e07396