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2020 年度 実績報告書

肝臓の多機能ペプチダーゼを標的とした新規肥満症治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K16130
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

岩崎 広高  滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40781589)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2021-03-31
キーワード肝細胞 / ナルディライジン / 褐色脂肪組織 / 熱産生 / FGF21 / 脂質ナノ粒子
研究実績の概要

NRDC欠損(Nrdc -/-)マウスは、やせ(脂肪組織の減少)、血漿中性脂肪減少、インスリン抵抗性改善、コリン欠乏食による脂肪性肝炎の抑制、体温調節異常などの表現型を示したことから、NRDCがエネルギー代謝制御に多面的に関わることが示唆されている。
申請者は特に、Nrdc -/-マウスにおいて熱放散が亢進していること、それを補うために褐色脂肪組織(BAT)における熱産生が亢進していることに着目し、脂肪組織、交感神経を含む臓器特異的NRDC欠損マウスを作製して検討したところ、NRDCの肝細胞特異的欠損マウス(LiverKO)がNrdc -/-マウスと同じ熱代謝表現型を示すことがわかった。
すなわち、高脂肪食を負荷したLiverKOは、肝細胞のみでノックアウトしたにも関わらず、褐色脂肪組織(BAT)熱産生遺伝子(UCP1、PGC1aなど)の上昇、BAT組織における脂肪蓄積量の減少が認められ、インスリン感受性が上昇していた。これらはBAT適応熱産生の亢進を示唆したが、その予想通り個体レベルの酸素消費量は増加していた。詳細に検討を進めた結果、肝臓NRDC欠損がヘパトカインの1種であるFibroblast Growth Factor 21(FGF21)発現を上昇させて、BATの熱産生を制御するという興味深い結果を得ることに成功した。
さらに、北海道大学原島研究室との共同研究で、NRDCに対するsiRNAを搭載した特殊な脂質ナノパーティクルをマウスに静脈注射することで、ウイルスを使用せずに肝臓特異的にNRDCをノックダウンさせることに成功している。この脂質ナノパーティクルによりC57BL/6Jマウスの肝臓特異的にNRDCをノックダウンすると、高脂肪食による体重増加が抑制され、耐糖能が良化することを見出し、肥満、糖尿病に対する治療薬につながる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Deficiency of Nardilysin in the Liver Reduces Serum Cholesterol Levels2021

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Yasuda, Yoshinori Hiraoka, Mikiko Ohno, Kiyoto Nishi, Hirotaka Iwasaki, Toru Kita, Eiichiro Nishi, Noriaki Kume
    • 雑誌名

      Biological and Pharmaceutical Bulletin

      巻: 44 ページ: 363-371

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [産業財産権] 代謝改善剤2020

    • 発明者名
      岩﨑広高、西英一郎
    • 権利者名
      岩﨑広高、西英一郎
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2020-129627

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公開日: 2021-12-27  

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