研究課題/領域番号 |
20K16144
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伏屋 康寛 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (60866523)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | LUBAC / 直鎖状ユビキチン鎖 / HOIL-1L / 細胞死 |
研究実績の概要 |
LUBACユビキチンリガーゼは直鎖状ユビキチン鎖生成の活性中心を有するHOIP、アクセサリー分子であるHOIL-1L、SHARPINの三者複合体からなる。申請者はHOIL-1Lのリガーゼ活性がLUBACの機能を抑制しており、HOIL-1Lのリガーゼ活性を消失させることでLUBACの機能を亢進できることを明らかにした。LUBACはサルモネラ菌など重症感染症の増殖抑制に関わることも報告されていたことから、HOIL-1Lリガーゼの活性阻害によるLUBACの活性亢進が、サルモネラ菌への感染防御に果たす役割を解析することとした。 HOIL-1Lのリガーゼ活性を欠失した胎児繊維芽細胞(MEF)にサルモネラ菌を感染させたところ、野生型に比べてサルモネラ菌に直鎖状ユビキチン鎖を多量に付加させることでサルモネラ菌の増殖を抑制し、結果サルモネラ菌による細胞死も抑制することを明らかにした。HOIL-1Lリガーゼ活性欠失によるLUBACの機能亢進がサルモネラ菌感染を抑制できることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HOIL-1Lリガーゼ活性欠失によるLUBACの機能亢進がサルモネラ菌感染を抑制できることを見出し、論文化したため。
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今後の研究の推進方策 |
LUBACによるサルモネラ菌感染制御に関して個体レベルで解析を進めるとともに、HOIL-1L リガーゼ阻害剤の取得を目指す。またLUBACの新規基質の同定することでLUBACの新機能の解明にも迫る。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に使用する研究に残したいと考え、少額を次年度に繰り越した。次年度は主に、LUBACによるサルモネラ菌感染制御に関して個体レベルでの解析、HOIL-1L リガーゼ阻害剤の取得、LUBACの新規基質の同定の為に研究費を使用したいと考えている。
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