研究課題
若手研究
本研究では疾患因子として知られるLUBACの制御機構を明らかにすることを目的に、新規LUBAC相互作用因子を同定し、生体防御応答における機能解析を実施した。その結果、当該ユビキチン化酵素は炎症刺激に応答してLUBACに結合し、NF-κB活性化や炎症誘導性細胞死を抑制することにより、生体内において抗炎症因子として機能する可能性を見出した。
病態医化学
LUBACは直鎖状ユビキチン鎖を特異的に生成するユビキチン化酵素複合体であり、炎症や免疫のほか、細胞死の制御において極めて重要なNF-κBシグナルを活性化する。LUBACの制御不全は炎症性疾患、免疫不全症、癌など多くの疾患発症に関与することから、LUBACの制御機構解明は関連疾患の有効な治療戦略を確立していく上で重要な課題である。本研究ではLUBACの活性を制御する新たな分子機序を見出しており、LUBACを標的とした新規創薬シーズの展開が期待される。