研究課題
若手研究
動脈硬化モデルマウスを背景に作製したCnot3ヘテロ欠損マウス(ApoEKO;Cnot3Hetz)では、動脈硬化の病態がより悪化したことから、Cnot3(CCR4-NOT複合体)の機能不全は動脈硬化進行に繋がることが明らかとなった。またそのメカニズムとして、ApoEKO;Cnot3Hetzでは炎症が亢進しており、マクロファージを中心とした解析から、Cnot3欠損マクロファージではInterferonシグナル応答が増強していることを突き止めた。
分子免疫学
近年、免疫・炎症性疾患におけるCCR4-NOT複合体の役割が注目される中、最近では脳血管の難治疾患であるもやもや病(Moyamoya disease)患者においてCNOT3遺伝子のde novo変異が報告され、CCR4-NOTの血管系疾患における重要性が強く示唆された。本研究課題では動脈硬化症を標的に、RNA制御に重要なCCR4-NOT複合体が如何なる機序を介して動脈硬化病態形成に影響するかを解明することにより、新しい血管系疾患の治療の概念創出に繋がることが期待される。