タモキシフェン誘導性に骨格筋で特異的にCREを発現するMyf5CreERとMir23btm1Mtm/Mmjaxマウスを掛け合わせたMyf5cre Mir23bf/fの骨格筋特異的miR-23b欠損マウスを作成し、C57BL/6Jとのバッククロスと繁殖をおこなった。骨格筋特異的miR-23b欠損マウスとコントロールに対し、タモキシフェン5日間連続腹腔内投与後に高脂肪食を6週間給餌し、体重変化の推移とブドウ糖負荷試験・インスリン負荷試験により糖代謝を評価し比較検討した。また代謝ケージによる酸素消費量を測定した。さらに、各臓器の重量測定とサルコペニア関連遺伝子と炎症関連遺伝子の発現についてリアルタイムPCR法を用いて評価し比較検討をおこなった。 Myf5cre Mir23bf/fマウスにおける骨格筋でのmiR23bの発現低下を確認した。Mir23bf/fマウスはコントロールマウスに比べて、高脂肪食負荷に対する体重増加に抵抗性を認め、内臓脂肪量の低下を認めた。ブドウ糖負荷試験ではMir23bf/fマウスでは耐糖能は改善し、インスリン負荷試験においてインスリン抵抗性も改善していた。骨格筋重量に明らかな変化は認めなかったが、骨格筋内の炎症関連遺伝子であるTNFαの発現量はMir23bf/fマウスにおいて低下していた。代謝ケージ検査ではMir23bf/fマウスはコントロールマウスに比べて酸素消費量は低下していた。 骨格筋特異的miR23b発現の低下と内臓脂肪蓄積抑制の関連については、マイオカインを介した機序を考察した。
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