• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

UFM1修飾によるCYB5R3の機能変換とその異常による脳症発症機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K16161
研究機関順天堂大学

研究代表者

石村 亮輔  順天堂大学, 医学部, 助教 (00816960)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードUFM1 / CYB5R3 / ユビキチン様タンパク質
研究実績の概要

ユビキチン様の修飾システムであるUFM1システムに関わる遺伝子の変異が遺伝性の重度発達障害の原因遺伝子であることを見出してきた。しかしながら肝心のUFM1の標的基質が不明であったため、UFM1システムの活性が低下した際になぜ病態を発症するか不明であった。本研究課題では質量分析によって同定したUFM1の基質Cytochrome-b5 reductase 3 (CYB5R3)に注目し解析を行った。CYB5R3の遺伝子変異によっても発達障害が報告されておりUFM1システムに関わる遺伝子でみられた症状と酷似していた。in vivoとin vitroの解析からCYB5R3の214番目のリジンがUFM1により修飾 (UFM1化)されること、UFM1の修飾によりCYB5R3からFAD (Flavin Adenine Dinucleotide)が解離しCYB5R3の活性が低下することを見出した。一方CYB5R3は脂肪酸の不飽和化やコレステロール生合成に関与することが知られているが、K214R変異体を用いた解析により脂肪酸の不飽和化やコレステロール合成のいずれもUFM1化が関与しないことがわかった。またER-phagyをモニターするプローブRFP-GFP-KDELを用いて解析を行ったところ、CYB5R3 K214R変異体ではER-phagy活性が低下しておりCYB5R3のUFM1化がER-phagyに関わることを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

CYB5R3がUFM1により修飾されるとCYB5R3活性が低下することを見出した。さらにUfm1化できないCyb5r3 K214Rノックインマウスを作出した。このマウスを用いることでCyb5r3のUfm1化される生理的意義を調べることができる。

今後の研究の推進方策

現在過剰発現系を用いた解析を行っているため、ストレス等でCYB5R3のUFM1化が促進される条件を調べる。作出したCyb5r3 K214Rノックインマウスを用いて、個体レベルでの解析を進めるとともに、この変異マウスから線維芽細胞を単離し細胞レベルでのさらなる解析を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] A homozygous UBA5 pathogenic variant causes a fatal congenital neuropathy2020

    • 著者名/発表者名
      Cabrera-Serrano M, Coote DJ, Azmanov D, Goullee H, Andersen E, McLean C, Davis M, Ishimura R, Stark Z, Vallat JM, Komatsu M, Kornberg A, Ryan M, Laing NG, Ravenscroft G.
    • 雑誌名

      J Med Genet.

      巻: 57 ページ: 835-842

    • DOI

      10.1136/jmedgenet-2019-106496

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] E3-ligase for the UFM1-system acts as an adaptor for ER-phagy2020

    • 著者名/発表者名
      Ishimura R, El-Gowily A. H., Noda NN, Komatsu M
    • 学会等名
      KEYSTONE SYMPOSIA Autophagy: Mechanisms and Disease
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi