先行研究で、アトピー性皮膚炎(AD)モデルマウスにおいてホルモンタンパク質Xの異常な分泌亢進が認められることを見出している。本研究では、ADにおけるXの作用機序の解明を目指した。その結果、XがADの発症に対して促進的に寄与することが示され、X依存性の全身性代謝異常がAD病態に寄与している可能性が示唆された。さらにヒトAD患者において血漿中のXの量を測定したところ、36検体中7検体で異常な高値を認めた。さらにXの血中量と血液検査データの相関解析を行ったところ、肝臓で代謝される分子群との強い相関を認めた。これらの結果より、血中Xの高いAD患者は肝臓に異常をもつ特徴的な病態を呈していると考えられた。
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