研究課題
成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)は、本邦に多く発生する極めて予後不良の疾患であるが近年、本腫瘍のゲノム・エピゲノム異常の全体像が解明されつつある。ATLは腫瘍間の臨床的・遺伝子学的多様性を特徴とする疾患であるが、それらを反映する腫瘍側因子の解明は進んでいないことから、本腫瘍への関与が示唆されているゲノム異常の個々の意義を明らかにすることが、本腫瘍の更なる分子病態解明において重要である。2020年度(初年度)は、多くの共同研究施設ならびに研究協力者の協力のもと、約200例のATL症例とそれらの臨床病理学的情報が蒐集された。その結果、研究遂行可能な状況が整った。2020年度は、以下の2つの研究が論文化された。① Clinical significance of CD28 gene-related activating alterations in adult T-cell leukaemia/lymphoma. Bri J Haematol. 2021;192:281-291.② Immunohistochemistry for CCR4 C terminus predicts CCR4 mutations and mogamulizumab efficacy in adult T cell leukemia/lymphoma. J Pathol Clin Res. 2021;7:52-60.論文化直前の研究としては、以下のものがある:① ATLにおけるTP53遺伝子異常の臨床的意義に関する研究、② ATLにおけるCD28関連分子発現の臨床病理学的意義に関する研究、③ ATLにおけるNOTCH経路異常に関する研究。その他、ATLにとどまらず、他の造血器腫瘍を対象とした研究が進行中であり、その成果が期待される。
2: おおむね順調に進展している
研究開始年度となる2020年度は、多くの共同研究施設および研究協力者の協力のもと、約200例のATL症例とそれらの臨床病理学的情報が蒐集され、研究遂行可能な状況が整った。2020年度は、2つの研究が論文化された:① Clinical significance of CD28 gene-related activating alterations in adult T-cell leukaemia/lymphoma. Bri J Haematol. 2021;192:281-291. ② Immunohistochemistry for CCR4 C terminus predicts CCR4 mutations and mogamulizumab efficacy in adult T cell leukemia/lymphoma. J Pathol Clin Res. 2021;7:52-60.論文化直前の研究としては、以下のものがある:① ATLにおけるTP53遺伝子異常の臨床的意義に関する研究、② ATLにおけるCD28関連分子発現の臨床病理学的意義に関する研究、③ ATLにおけるNOTCH経路異常に関する研究。その他、ATLにとどまらず、他の造血器腫瘍を対象とした研究が進行中である。
当初の計画に基づいて、研究を遂行する。
研究開始年度となる2020年度は、症例およびそれらの臨床病理学的情報の蒐集が主な実施項目となった。2020年度は2編の研究論文を発表したが、それらの実験への支出額を当初の予定より少なく済ませることができた。また、新型コロナウイルス感染症蔓延のため、多数の学術集会がWed開催となり、旅費を計上しなかったことも理由の1つである。2020年度の未使用額は、研究最終年度となる2021年度に執行する。2021年度は当初の計画通り研究を遂行するが、それに加えて、新たな不随研究も実施予定である。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)
British Journal of Haematology
巻: 192 ページ: 281-291
10.1111/bjh.17211
Clinical Lung Cancer
巻: 22 ページ: 92-99
10.1016/j.cllc.2020.11.010
The Journal of Pathology: Clinical Research
巻: 7 ページ: 52-60
10.1002/cjp2.180
Journal of Oral Pathology & Medicine
巻: 49 ページ: 1037-1043
10.1111/jop.13109
Histopathology
巻: 76 ページ: 1013-1022
10.1111/his.14100