研究実績の概要 |
本研究期間全体を通じて、多施設共同研究において蒐集した成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)症例を対象として遺伝子解析を実施した。臨床情報との統合解析により、CCR4やCCR7、CD28、TP53に関連する遺伝子異常が、ATL患者予後因子や各種治療に対する反応性を規定する因子であることを報告した(Bri J Haematol. 2021, 2021; Cancer Sci. 2022; Hematol Oncol. 2023)。 これらの研究により得られた知見は、ATLに対するゲノムオーダーメイド治療を考える上で、基盤データとなり得るものである。今後は、ATLの全体像における各種因子・分子や遺伝子異常と現時点での最適なATLの治療選択・戦略を総合化し、一般の血液治療者にATL治療アルゴリズムを提示することが重要な課題である。
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