異常プリオン蛋白(PrP)が体内に侵入すると、正常PrPが構造変化を起こし異常PrPに変換される (感染性を有するようになる) 。このように蛋白のみで疾患が伝播されることをプリオン仮説と呼ぶ。近年、アルツハイマー病やパーキンソン病でもプリオン仮説が起こり、異常蛋白の分布や広がりが臨床症状と密接に関連し、特定の決まったパターンで空間的に進展することが報告されている。 本研究で、三叉神経線維に沿った異常PrPの沈着を認めた。異常PrPは中枢組織から神経線維を通じて、非中枢神経組織へ拡がっている可能性が示唆される。異常PrPの体内での伝播経路を考える上で貴重な所見を得た。
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