グリオーマの診断では、その形態学的多様性のため形態学的分類の難しさが指摘されており、近年の遺伝学的研究成果と相まって、病理診断に遺伝子検索が必須となった。しかし、遺伝子検索は全ての医療機関で行えるわけではなく、現状グリオーマの診断精度を保つためにも、形態学的な診断精度の向上は喫緊の課題である。本研究では日常診断業務で使用している解析手法を用いて、グリアの発生分化の観点からグリオーマ細胞の転写因子発現と形態学的特徴との関連性を見出した。本研究成果はグリオーマ細胞の表現型とその形態学的特徴、およびこれに起因する形態学的多様性への理解を深め、グリオーマの形態学的診断の精度向上に寄与する。
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