稀な肺腺癌である浸潤性粘液腺癌(IMA)の新たな分子病理学的分類の構築を目指し、ムチン産生に着目した2つのタイプの分類(A型:細胞質と気腔の両方にムチンが存在、B型:主に気腔にムチンが存在)を提案した。 この分類は、IMAの診断や治療法開発に貢献できる。ムチン産生と予後不良因子であるSTASの関連性を明らかにしたことは、IMAの予後予測の精度向上に寄与でき、A型とB型で異なる111個の遺伝子を同定したことでIMAの発生メカニズムの解明や治療標的の探索に役立てる。これらの成果は、IMAの理解を深め、診断・治療法開発、予後予測の改善に繋がる可能性があり、社会的にも意義のある研究成果と言える。
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