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2022 年度 実施状況報告書

微小管ダイナミクス制御による難治性乳癌に対する新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K16199
研究機関群馬医療福祉大学

研究代表者

半田 正  群馬医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (90866229)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードリン酸化STMN1 / EMT / TNBC
研究実績の概要

私たちは、乳癌でSTMN1高発現が Triple negative breast cancer (TNBC)患者の予後不良、がん悪性度亢進、がん幹細胞マーカー発現と有意に関連があることを報告してきた。しかしリン酸化STMN1についての先行研究では、乳癌臨床検体において各種リン酸化STMN1の蓄積が予後不良、予後良好のどちらにも関与することが報告されている。このような研究背景からこれまで検討されていない難治性のTNBCに着目し、TNBCにおけるリン酸化STMN1発現意義とSTMN1リン酸化酵素の阻害剤の新規治療ツールとしての可能性を検討することとした。令和2年度~令和3年度で、1999年~2010年までに診断報告された乳癌213症例のホルマリン固定・パラフィン包埋材料を用いて、4種類のリン酸化 STMN1 (Serine 16, Serine 25, Serine 38, Serine63)それぞれの発現意義と予後、臨床病理学的因子、がん幹細胞マーカー発現、微小管作用型抗がん剤感受性との関連を免疫組織化学的手法で解析した。令和4年度では以前報告したSTMN1データと今回の研究テーマであるリン酸化STMN1データを合わせた総合的な免疫組織化学的検討を行った。Intrinsic subtypeにおける各種リン酸化STMN1高発現群を低発現群と比較検討した。S38は、TNBCに、S63は、Luminal Aに有意に多く、S16・S25では特に有意な差は認められなかった。さらにTNBCで高発現が認められているSTMN1とリン酸化STMN1の関係を解析した。STMN1高発現症例ではS38も同様に高発現症例が有意に多く正の相関を示し、一方S16ではSTMN1高発現症例で低発現症例が有意に多いという負の相関が認められた。S25・S63では特に有意な差は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和4年度の計画のうち、「1. TNBCを含む乳癌切除検体を用いたリン酸化STMN1発現解析:免疫組織化学的検討」についての研究計画はおおむね順調に進み論文化にむけて以前のSTMN1全体のデータも合わせて研究している。しかし、次に予定していた「2. STMN1リン酸化酵素阻害剤 (Kinase inhibitor)によるTNBC細胞株のSTMN1リン酸化status制御と抗腫瘍効果、パクリタキセル増感作用の評価」まで至らず、計画としてはやや遅れている。また世界的なコロナウイルスの蔓延による社会情勢の変化により研究を自粛せざるを得なくなった期間もあり、それら様々な状況によりやや遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

令和3年度に、群馬医療福祉大学の新校舎が完成してからは、学内でも実験環境が整い研究を継続していくことができている。令和5年度の具体的計画内容は、免疫組織化学的検討のデータをまとめ論文化をし、さらにSTMN1リン酸化酵素 (kinase)阻害剤のTNBC細胞株におけるSTMN1リン酸化statusに与える影響、治療効果、タキサン系抗がん剤増感効果を検証し、その作用メカニズムをin vitro, in vivo解析していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

【理由】当初予定していた細胞実験を用いた機能解析の検討に着手できず、それらに使用する試薬等の購入を見送ったことから予定額に残額が生じることとなった。
【使用計画】本年度の差額分は次年度の細胞実験、動物実験での解析のための試薬や消耗品および試薬の購入に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 感染予防に対する意識調査-学生視点から-2022

    • 著者名/発表者名
      松崎 菜央、半田 正、菅野 佳之、村上 博和
    • 学会等名
      第16回日本臨床検査学教育学会学術大会
  • [学会発表] 高大接続授業から生命倫理教育と多職種連携を考える2022

    • 著者名/発表者名
      岡野 康幸、半田 正
    • 学会等名
      第34回日本生命倫理学会年次大会

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公開日: 2023-12-25  

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