我々は粘液線維肉腫(MFS)/未分化肉腫(US)の85症例を解析した。浸潤性増生を示す症例では粘液腫状間質の割合が高く、遠隔転移は少なく、全生存率は高い傾向にあることを明らかにした。USにはαSMA陽性細胞の被覆が少ない形態学的に特徴的な鎌状血管が観察された。鎌状血管の多寡によりUSを2群に分類すると、転移や予後と有意に相関していた。RNAシーケンスを行うと、プロテアソーム、NF-kB、VEGF経路が形態学的に分類した群間で異なる制御を受けていることが示された。これらの結果から、鎌状血管形成機序を解明することは、遠隔転移に関わる因子の同定や治療戦略を開発するのに役立つ可能性があると考えた。
|