KRAS変異多発性骨髄腫に対する有効な治療法は限られている。今回、RNA干渉によってRAS分子経路全体を制御する化学修飾マイクロRNA-143 (miR-143)のKRAS変異多発性骨髄腫に対する抗腫瘍効果をマウスモデルで評価した。実験の結果、化学修飾miR-143投与は脾臓の腫瘍細胞量およびmiR-143標的タンパクERK1/2および増殖マーカーp-Histone H3の発現を有意に減少させることがわかった。一方、骨髄においては、有意な抗腫瘍効果を認めなかった。以上より、化学修飾miR-143は臓器特異性があるものの多発性骨髄腫モデルにおいて、有意な抗腫瘍効果を示すことを明らかにした。
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