胸腺上皮性腫瘍は重症筋無力症などの自己免疫疾患を高頻度に併発することから、その発症・進展機構の理解は免疫学的にも重要であるが、非常に稀な腫瘍であるため解析がほとんど進んでいない。申請者らは胸腺上皮特異的Hippo経路構成遺伝子欠損マウスを用いて胸腺上皮性腫瘍の発症・進展機構の解明とHippo経路を標的とした治療の可能性を検証した。 種々の遺伝子改変マウスを用いた解析の結果、Hippo経路の破綻によって下流のエフェクター分子であるYAPが活性化し胸腺がん発症に繋がること、YAPを標的とすることで胸腺がんを治療できる可能性があることを示した。
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