フラボノイドの一種であるルテオリンが膵癌の発がん抑制効果を示し、5-FU分解酵素であるDPYDの発現を抑制することが分かったため、ルテオリンと5-FUの併用投与による膵癌抑制効果を検討した。KPPCマウスやDPYD強制発現ヒト膵癌細胞の皮下移植実験から、併用投与が有意な腫瘍抑制効果を示した。また、DPYDは増殖、浸潤、血管新生に寄与し、浸潤にはMMP9やMEP1Aを含むmetallopeptidaseの関連が示唆された。他のフラボノイドや側鎖を変えた物質を検討した結果、ルテオリンのDPYD抑制効果が高い事が分かった。以上より、ルテオリンと5-FUの併用治療は膵癌抑制効果が期待できる。
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