研究課題/領域番号 |
20K16228
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
酒井 康弘 藤田医科大学, 医学部, 講師 (20754394)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 奇形腫マウスモデル / GANP / 始原生殖細胞 / 奇形腫発生 / 精巣奇形腫 |
研究成果の概要 |
ヒト思春期後型精巣奇形腫のGANP発現を解析し、GANPと奇形腫発生との関連を明らかにするような新たなマウスモデルを構築した。 31例のヒト思春期後型精巣奇形腫を解析したところ、全例でGANPが過剰発現していた。奇形腫に付随する胚細胞腫瘍上皮内形成(GCNIS)でも異常発現がみられた。さらにGANPと奇形腫発生との関係を明確にするために、奇形腫のマウスモデル(CAG-ganp Tgマウス)を作製した。このモデルでは従前の奇形腫好発マウスと比較して、GANP陽性奇形腫が精巣と子宮の正中部により高頻度に発生した。 以上より、GANPは思春期後型精巣奇形腫の重要な発生因子であることが分かった。
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自由記述の分野 |
転写共役型DNA傷害
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトiPS細胞を用いた再生医療は疾患の治療に飛躍的な進歩をもたらす可能性を秘めているが、現在では移植による奇形腫の発生が大きな問題となっている。このことを克服するために奇形腫発生制御の研究が世界中で進められている。しかし、従前より使用されている奇形腫好発系のマウス129/Sv系統や129+Ter/Sv系統でも奇形腫の発生率は極めて低く。奇形腫の分子生物学的解析は困難を極めていた.私たちは奇形腫発生のメカニズムにGANPが密接に関係していることを明らかにしたと同時に、CAG-ganp Tgマウスは奇形腫発生率が高く、奇形腫発生を制御するための新しい技術開発にも極めて有用であることが分かった。
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