骨髄における造血は、造血幹細胞(HSC)ニッチを形成する間葉系細胞からのシグナルによって調節されている。本研究では、マラリアが血管拡張を引き起こし、骨芽細胞を抑制し、骨髄の造血幹細胞ニッチ支持細胞の集団を減少させることを明らかにした。遺伝子トランスクリプトーム解析により、これらの造血幹細胞ニッチ支持細胞からのサイトカインがマラリア感染時に変化し、造血とリンパ球形成の障害につながることを明らかにした。このように、無症状の慢性マラリア感染が骨髄造血幹細胞ニッチに大きな障害を与えることが明らかになり、未診断の無症状症例が懸念される。
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