研究課題
若手研究
マラリアやリーシュマニア症は、ヒトに深刻な症状を呈する吸血昆虫媒介感染症である。両病原体が感染可能な吸血昆虫(ベクター)は決まっているが、どのような因子によって規定されているのかは不明である。本研究では、病原体の発育・ヒト感染能力を獲得する上で重要な吸血昆虫の中腸に着目し、生体調節機能を有する糖類を用いて中腸環境を変化させることで感染の成否を決定づける因子を明らかにする。16種の糖類の内、希少糖D-アロースのみがマラリア原虫発達阻害効果を示し、その作用機序に関与する因子を明らかにした。
寄生虫学
本研究課題は、生体調節機能をもつ糖類を利用して、病原体発育・ヒト感染性獲得の成否を決定づける因子を明らかにすることである。数多くの糖類は、機能性食品や健康食品への応用研究が盛んに行われている。しかし、ベクターの病原体媒介のメカニズムを明らかにすることを目的とした研究は国内外問わず行われていない。本研究課題の成果は、病原体媒介の謎に迫るだけでなく、希少糖を始めとした糖類を用いた新たなベクターコントロール法の創出に繋がるものと考えている。