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2021 年度 実績報告書

B型肝炎ウイルスの持続感染の成立および維持における制御性T細胞の寄与の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K16265
研究機関国立研究開発法人国立国際医療研究センター

研究代表者

浦木 隆太  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所, ウイルス感染動態研究部 上級研究員 (70843027)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードB型肝炎ウイルス / 免疫制御 / 制御性T細胞 / 樹状細胞
研究実績の概要

B型肝炎ウイルス(HBV)は潜伏感染から、慢性肝炎、さらには肝癌を引き起こす。HBVに感染した患者は、不顕性感染となる場合が多いものの、一部の患者は急性肝炎を発症する。しかしながら、持続感染がどのように維持され、どのように慢性肝炎・肝癌発症に至るのか、免疫学的に十分な解析は行われておらず、様々な課題が残されている。本研究課題では、制御性T細胞と、制御性T細胞と相互作用する免疫細胞に焦点を当て、B型肝炎ウイルス(HBV)の持続感染が維持される機序について解明することを目的に研究を推進した。
我々が樹立した薬剤(ジフテリア毒素:DT)選択的に制御性T細胞を欠損できるB型肝炎モデルマウス(Foxp3-DTR-HBsTgマウス)に、DTを接種し肝炎のマーカーであるアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)を測定した。その結果、コントロールのFoxp3-DTRマウスもしくはHBsTgマウスと比較し、Foxp3-DTR-HBsTgマウスではALTが高くなった。これらの結果は一時的な制御性T細胞の除去によって、肝臓において炎症が引き起こされている、つまり、HBVキャリアでは制御性T細胞が存在することで肝炎発症が抑制されている可能性を示唆している。
また、制御性T細胞と相互作用することが報告されている樹状細胞について検証したところ、制御性T細胞を一過性に除去した際、樹状細胞の活性化マーカーの発現が上昇していることが明らかとなった。樹状細胞の表現型と、上記で認められた制御性T細胞一過性除去によるALT上昇の関連性については、今後検証予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Foxp3+ CD4+ regulatory T cells control dendritic cells in inducing antigen-specific immunity to emerging SARS-CoV-2 antigens2021

    • 著者名/発表者名
      Uraki Ryuta、Imai Masaki、Ito Mutsumi、Shime Hiroaki、Odanaka Mizuyu、Okuda Moe、Kawaoka Yoshihiro、Yamazaki Sayuri
    • 雑誌名

      PLOS Pathogens

      巻: 17 ページ: e1010085

    • DOI

      10.1371/journal.ppat.1010085

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 制御性T細胞を標的としたSARS-CoV-2に対する新規予防法の開発2021

    • 著者名/発表者名
      浦木隆太、今井優樹、伊藤睦美、志馬寛明、河岡義裕、山崎小百合
    • 学会等名
      第68回日本ウルス学会学術集会
  • [学会発表] Transient depletion of Treg cells induces adaptive immunity to SARS-CoV-2 antigens.2021

    • 著者名/発表者名
      Ryuta Uraki, Masaki Imai, Hiroaki Shime, Yoshihiro Kawaoka, Sayuri Yamazaki
    • 学会等名
      第50回日本免疫学会学術集会
  • [備考] 新型コロナウイルス抗原へのユニークな獲得免疫誘導法:制御性T 細胞による樹状細胞のコントロールを利用

    • URL

      https://research-er.jp/articles/view/105734

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公開日: 2022-12-28  

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