本研究では、B型肝炎ウイルスの表面蛋白質であるS抗原を発現するトランジェニック(Tg)マウスおよび、制御性T細胞を選択的に薬剤で除去できるTgマウスを用いて、制御性T細胞がHBV持続感染状態の成立・維持に及ぼす影響をウイルス学的、免疫学的視点から解析した。制御性T細胞を一過性に除去すると肝炎マーカーであるアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)が上昇することを見出した。また、制御性T細胞の一過性の除去によって、制御性T細胞と相互作用する樹状細胞の活性化マーカーである、CD86やCD80の発現が上昇していることが明らかとなった。ALT上昇と樹状細胞の活性化の関連性については今後の課題である。
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