C型肝炎ウイルス(HCV)は非感染細胞へと自身を伝播する際にcell free経路および cell-to-cell経路を利用するが、伝播経路のバランスをどのように制御するかは明らかではない。本研究ではウイルス株の違いと脂肪滴産生のウイルス伝播への寄与を明らかにした。臨床分離株JFH-1と実験室型キメラウイルス株Jc1-n間ではJc1-n株の方が、ウイルス粒子放出能が高いことが示唆された。また、脂肪滴産生を低下させることでcell-to-cell経路によるウイルス伝播が顕著に低下した。すなわちウイルスの伝播戦略は株間で異なりかつ、感染細胞内の脂肪滴産生量が重要な役割を果たすことを明らかとした。
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