研究課題/領域番号 |
20K16269
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
佐々木 永太 国立感染症研究所, 治療薬・ワクチン開発研究センター, 主任研究官 (40762216)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ワクチン / アジュバント / pDC / 肺 / 呼吸器感染症 / 自然免疫 / 樹状細胞 |
研究実績の概要 |
同定したpDCサブセットのB細胞活性化、形質細胞分化促進作用を明らかにするため、同定したマウスpDCサブセットとB細胞 (CD19抗原陽性) をセルソーターによって分取し、in vitroで、IL-2, IL-10およびCD40L存在下で12日間共培養し、培地中IgGおよびIgM濃度を測定したところ、pDC存在下においてIgGおよびIgM産生が認められた。同定したpDCサブセットが抗原特異的抗体産生を強く誘導させるのかを明らかにするため、同定したpDCサブセットおよび、それ以外のpDCサブセットをセルソーターによって分取し、in vitroにおいてインフルエンザ抗原にパルスさせた後、無感作のマウスに移植し、2週間後に血清中の抗原特異的抗体量の測定した。その結果、同定したpDCサブセットを移植したマウスにおいて、強い抗原特異的IgG抗体価の上昇が認められた。さらに、抗原パルスしたpDCサブッセットを気管支内移植したところ、移植されたマウスにおいて抗原特異的IgA抗体価の誘導が認められた。このことからpDCサブセットは局所において抗原提示を行い、液性免疫を誘導することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
同定したpDCサブセットの機能的な特徴付けを行うことができ、特にワクチン免疫における重要性を明らかにすることができた。また、これまでに得られた研究成果の一部については論文投稿を行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
インフルエンザウイルスを用いた感染実験を行い、同定したpDCサブセットのワクチン免疫における重要性を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
pDCサブセットの気管支内移植実験により、当初は想定していなかった結果として、粘膜免疫が誘導されることが明らかになった。このことから、粘膜免疫誘導に関するデータを重点的に取得していたため、インフルエンザウイルス感染実験による解析を2022年度に実施することができなかった。次年度予算は、インフルエンザウイルス感染を中心としたウイルス感染防御への重要性を解析するための実験に使用する。
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