CD4 T細胞は外来抗原特異的獲得免疫応答における司令塔としての役割を果たすリンパ球であるが、申請者はこの細胞中に、自己抗原認識依存的に産生され病原体感染時には自然免疫機能を発揮しうる新規「MP細胞」を同定した。本研究ではこれに基き、MP細胞の質的特異性や感染防御機能、さらには自己免疫疾患惹起能を解明することを目的とした。研究の結果、MP細胞は抗原特異的メモリーT細胞とは異なる特有の表現型を有し、定常状態下においてTh1様の「MP1」分画を多く含むことが分かった。MP1の分化機構や機能、炎症惹起能も明らかになりつつある。すなわち、本研究によりMP細胞の特性の一端が明らかになった。
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