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2020 年度 実施状況報告書

UNC93B1によるTLRの細胞内局在に関する構造生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K16274
研究機関東京大学

研究代表者

石田 英子  東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任研究員 (70563295)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードTLR受容体 / 自然免疫 / クライオ電子顕微鏡
研究実績の概要

自然免疫受容体の一つであるTLRは、微生物の構成成分を認識して免疫反応を引き起こす。TLRは病原体の侵入を防ぐとともに、生体の恒常性の維持にも深く関与していることから、その活性化は時空間的に厳密に制御される必要がある。UNC93B1は複数回膜貫通型の膜タンパク質であり、主に核酸認識TLRと小胞体膜上で結合する。UNC93B1はTLRのリガンド刺激に応じてこれらTLRをエンドソームへと輸送し、TLRの活性化のバランスを調節するとされているが、その詳細な制御機構は不明である。本申請課題では、UNC93B1と各種TLRとの複合体の構造解析を行い、UNC93B1によるTLRの活性制御機構の解明を目指す。
今年度は、TLR3およびTLR7とUNC93B1との複合体の三次元構造の解明に成功した。TLRとUNC93B1を哺乳動物細胞で共発現させ、界面活性剤ジギトニンで可溶化した。TLR3/UNC93B1およびTLR7/UNC93B1において均一な複合体が得られ、クライオ電顕でそれぞれ3.3Åおよび4.2Åの分解能で構造決定した。TLR3/UNC93B1は1:1の複合体を、TLR7/UNC93B1は2:2の複合体を形成していた。TLRはリガンド結合に伴って活性化型の二量体を形成することが知られている。今回得られた構造は不活性化型の構造であったことから、今後は活性化型二量体の構造解析に取り組む予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

TLR3/UNC93B1複合体およびTLR7/UNC93B1複合体の構造解析に成功し、UNC93B1によるTLR認識の分子機構を明らかにした。

今後の研究の推進方策

TLR活性化型二量体の構造解析を目指す。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Cryo-EM structures of Toll-like receptors in complex with UNC93B12021

    • 著者名/発表者名
      Ishida Hanako、Asami Jinta、Zhang Zhikuan、Nishizawa Tomohiro、Shigematsu Hideki、Ohto Umeharu、Shimizu Toshiyuki
    • 雑誌名

      Nature Structural & Molecular Biology

      巻: 28 ページ: 173~180

    • DOI

      10.1038/s41594-020-00542-w

    • 査読あり
  • [学会発表] UNC93B1による核酸認識TLRの輸送機構の構造基盤2021

    • 著者名/発表者名
      石田英子、浅見仁太、大戸梅治、清水敏之
    • 学会等名
      日本薬学会第141年会

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公開日: 2021-12-27  

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