研究課題
当研究室では、関節リウマチ (rheumatoid arthritis; RA)の滑膜線維芽細胞 (synovial fibroblasts; SFs)を対象に、ゲノム、トランスクリプトーム、エピゲノムを統合的に解析し、複合的な炎症環境下におけるSFsのクロマチン構造変化が、RAの疾患感受性と関連することを明らかにした。また、この病的な構造変化に重要な転写因子の候補として、Metal transcription facto-1 (MTF-1)をin silicoで同定した。本課題において申請者は、これら転写因子のSFsにおけるin vitroおよびin vivoの機能解析を通じて、MTF-1の活性阻害がSFsからの炎症性メディエーターの発現を修飾し、動物モデルにおける関節炎を制御することを明らかにした。本研究により、炎症や骨軟骨破壊を引き起こすSFsを標的とした創薬候補が発見されたことで、既存の薬剤とは全く異なる経路を介した、より全身的な免疫抑制作用の少ない治療開発につながることが期待される。
すべて 2021
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Ann Rheum Dis. 2020 Nov 2:annrheumdis-2020-218189.
巻: 80 ページ: 440-450
10.1136/annrheumdis-2020-218189.