近年、好塩基球に関する研究ツールが開発され、好塩基球が寄生虫感染防御や遅延発症型アレルギー反応に重要な役割を果たすことが解明された。しかしながら、好塩基球の分化・成熟機構については不明な点が多い。本研究では、高感度1細胞RNAシーケンス解析やフローサイトメトリー解析から、成熟好塩基球と前駆細胞の間の分化段階として未熟好塩基球を同定した。さらに機能的解析から、未熟好塩基球は高い増殖能を有するのみならず、成熟好塩基球と活性化能も異なることが明らかになった。さらに、in silico解析や遺伝子改変マウスを用いた解析より、好塩基球の機能的な成熟を司る転写因子の一つを同定した。
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