これまでの解析から、Mycobacterium bovis BCGを用いたマウス経気道感染モデルにおいては、CARD9は感染初期の菌排除には積極的に寄与せず、より後期の段階での宿主防御に寄与する可能性を見出している。実際、感染3週間後と9週間後の肺内菌数を検討したところ、感染3週間後では、臓器内菌数に差は認められなかったが、9週間後では、CARD9欠損マウスにおいて臓器内菌数が多い傾向にあった。加えて、感染肺の炎症性サイトカイン量や、縦隔リンパ節細胞を用いた抗原特異的応答の解析からもそのことを支持する結果が得られたため、現在、これらの応答の経時変化を解析するとともに、結核菌感染におけるCARD9の役割についても検討している。
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