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2020 年度 実績報告書

老化T細胞の機能解析およびその正常化方法の探索

研究課題

研究課題/領域番号 20K16291
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

永井 直  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (80828145)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2021-03-31
キーワードT細胞 / 疲弊 / 老化 / エピジェネティクス / 転写制御 / がん
研究実績の概要

免疫系の中心を担うT細胞は、加齢や疾患に伴って老化(senescence)あるいは疲弊(exhaustion)といった機能不全状態に陥ることが知られている。本研究は、T細胞の機能不全が誘導されるエピジェネティックなメカニズムの解明を目指すものである。
昨年度、シングルセルRNA-seqによって機能不全状態のCD4陽性T細胞集団を同定し、この細胞集団を規定する細胞表面分子のリストアップを行った。リストアップされた細胞表面分子をもとに、フローサイトメトリーでこの細胞集団を特定し、解析を進めることを試みたが、濾胞ヘルパーT細胞との区別ができなかったことで解析が難航した。他方、並列して進めていたin vitroにおける老化T細胞の誘導系についても、既報の論文で報告されているような明確なフェノタイプは得られなかった。
そこで、実験系や解析対象が良く確立されている、がんにおけるCD8陽性T細胞の疲弊にフォーカスを移し、疲弊に関わる新規遺伝子を同定する解析を始めた。出版済みの5つのRNA-seqデータを解析し、疲弊によって発現が上昇あるいは低下する遺伝子をリストアップした。次に、リストアップされた遺伝子をノックダウン(疲弊で発現が上昇する遺伝子)あるいは過剰発現(疲弊で発現が低下する遺伝子)させた際に、疲弊化がブロックされるかをin vivoスクリーニングにより解析した。スクリーニングには、B16-OVA担がんマウスにOT-I CD8陽性T細胞を移入することによって疲弊を誘導するモデルを用い、OT-I CD8陽性T細胞を移入する前に、in vitroにおいて候補遺伝子の過剰発現あるいはノックダウンを行った。2周のスクリーニングを経て、疲弊により発現が低下し、過剰発現によって疲弊がブロックされる遺伝子が1つヒットした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Lysine demethylase 7a regulates murine anterior-posterior development by modulating the transcription of Hox gene cluster2020

    • 著者名/発表者名
      Higashijima Yoshiki, Nagai Nao, Yamamoto Masamichi, Kitazawa Taro, Kawamura Yumiko K., Taguchi Akashi, Nakada Natsuko, Nangaku Masaomi, Furukawa Tetsushi, Aburatani Hiroyuki, Kurihara Hiroki, Wada Youichiro, Kanki Yasuharu
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 3 ページ: 725

    • DOI

      10.1038/s42003-020-01456-5

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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