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2022 年度 実績報告書

直腸癌の免疫微小環境に与える術前化学療法の影響と新規治療レジメンの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K16300
研究機関名古屋大学

研究代表者

小倉 淳司  名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20867262)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード直腸癌 / 免疫微小環境 / 術前化学療法 / PD-1 / CD8
研究実績の概要

免疫原性の低い大腸癌においては、腫瘍免疫微小環境(TME)をいかに賦活化するかが課題である。今回局所進行直腸癌における術前化学療法(NAC)とTMEの関係性を明らかにすることを目的とした。
対象は当科でNAC後に原発切除した局所進行直腸癌の中で、NAC前と術後双方で評価可能であった66例を対象とした。腫瘍細胞に発現したもの(t)と間質に発現したもの(s)を別々に評価した。
全66例中奏効群は18例(27%)、非奏効群は48例(73%)であった。tPD-1陽性例はNAC前6例(10.3%)であったのに対し、術後は14例(24.1%)(p = 0.016)と増加し、tCD8陽性もNAC前16例(26.7%)に対し、術後27例(45.0%)(p = 0.005)とそれぞれ有意に増加した。また、奏効群において生検検体でのtPD-1、tCD8陽性例が有意に多かった(38.9% vs. 4.2%, p = 0.002、61.1% vs. 20.8%, p = 0.008)。さらに、tPD-1とtCD8がともに陽性の症例は8例であり、うち奏効群が7例(87.5%)と有意に多い結果であった(p< 0.001)。NACの奏効予測因子の多変量解析を行うと、tPD-1陽性かつtCD8陽性が独立したリスク因子として抽出された(OR: 29.8, 95% CI: 3.16-281.0, p = 0.003)。
大腸癌においてNACが免疫賦活に寄与する可能性が示唆された。tPD-1陽性かつtCD8陽性は局所進行直腸癌に対するNACの奏効予測因子であることが示唆された。Nonoperative managementを企図して術前治療がさらに強化されたtotal neoadjuvant therapyが拡まる中、治療戦略の安全性と有効性を向上するために治療開始前に奏効予測が立てられることは大きな利点となり得る。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 局所進行直腸癌に対する術前化学療法と腫瘍免疫微小環境の関連についての検討2023

    • 著者名/発表者名
      三品拓也、小倉淳司、村田悠記ら
    • 学会等名
      日本消化器外科学会総会

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公開日: 2023-12-25  

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