近年、脂肪肝を素地とする肥満誘導性肝がんは著しい増加傾向にあり、その発症・進展の予防法・治療法の開発は喫緊の課題である。本研究では、肥満誘導性肝がんの発症に関連するSASP因子について解析した結果、サイトカインIL-33が、肝がん腫瘍部内の肝星細胞で特に高発現しているSASP因子であることを見出した。さらにSASP因子の細胞外放出機構として、SASP因子のIL-33はパイロトーシス実行因子ガスダーミンDが細胞膜上に形成する小孔を通じて細胞外へと放出され、その後、受容体であるST2を発現するTregを介して抗腫瘍免疫を抑制するという一連の機構を明らかにした。
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