上述のように本研究課題により、転移性脳腫瘍におけるがん細胞とアストロサイトの相互作用を解析した結果、脳転移がん細胞の生存にはmGluR1が重要であることを明らかにし、これを標的とすることで転移性脳腫瘍の進展を抑制することに成功した。このようなmGluR1を介した生存シグナルの亢進メカニズムは抗がん剤耐性のがん細胞でも観察され、mGluR1を阻害することにより抗がん剤耐性がん細胞の脳転移の進展を抑制した。これらの結果から、本研究で明らかにした転移性脳腫瘍におけるmGluR1を介した生存シグナルの亢進は、これまで治療が困難であった抗がん剤耐性がん細胞に対する新たな治療法として大きく期待できる。
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