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2021 年度 実施状況報告書

急性骨髄性白血病に特異的な代謝を標的とした新規薬剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K16335
研究機関熊本大学

研究代表者

興梠 健作  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (70869510)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードエピゲノム / 急性骨髄性白血病 / がん代謝
研究実績の概要

急性骨髄性白血病(AML)の代謝制御におけるLSD1の役割をあらゆる白血病細胞株およびヒトの白血病患者サンプルのデータを用いて検討した。申請者らは赤芽球系AMLにおいて赤芽球誘導性転写因子であるGATA1が解糖・ヘム合成遺伝子の発現を促進すること、LSD1がGATA1の遺伝子エンハンサーにおける結合に必須であることを見出した。一方でLSD1が骨髄球誘導性転写因子であるC/EBPαの発現をエピジェネティックな機序で抑制することも発見した。そこで赤芽球系AMLの細胞株においてLSD1阻害をすることでGATA1の標的が抑制され、C/EBPαの発現が亢進して解糖系・ヘム合成などの代謝が抑制されることを見出した。ヒトのあらゆる急性骨髄性白血病のサンプルのデータを用いた解析においてはLSD1と解糖・ヘム合成遺伝子の遺伝子のmRNAの発現が相関することを見出し、LSD1があらゆるAMLの型で代謝制御に寄与する可能性が示唆された。以上を2021年米国血液学会のオンラインジャーナルである、Blood Advances に報告し、受理された。論文を報告したところ、UT Health San Antonio のGang Huang 教授より博士研究員としてのオファーを受け、留学が決定した。今後、留学先にてCRISPR-Cas9やsingle cell RNAseq の技術を獲得し、帰国後のAML代謝解析の一助とする予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初予定していた解析が実施できているため進んでいると言える。今後は白血病のマウスモデルなどを用いて臨床応用に向けた薬剤量の適正化などを検討する予定である。

今後の研究の推進方策

申請者は2022年5月よりアメリカ留学を行い、血液学の基礎研究を行う予定である。マウスモデルを用いて白血病細胞の微小代謝環境に関する研究を行う予定であり、LSD1の関与に関しても解析を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ感染のために意見交換のための海外学会に参加できなかったため、次年度に繰越となった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] LSD1 defines erythroleukemia metabolism by controlling the lineage-specific transcription factors GATA1 and C/EBPα2021

    • 著者名/発表者名
      Kensaku Kohrogi
    • 雑誌名

      Blood Advances

      巻: 5(9) ページ: 2305-2318

    • DOI

      10.1182/bloodadvances.2020003521.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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